『アウトプット大全~学びを結果に変える~』は2018年にサンクチュアリ出版から発行されました。著者である樺沢紫苑先生は精神科医であり、作家でもあります。SNS、メールマガジン、You Tubeなどで累計40万以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報を発信する医師」として活動されてます。
「ふじだい」が、どくだんとへんけんで勝手に評価しています。ご参考までに。
本を読んで「こんな考え方があったんだ。なるほど。今度使ってみよう!」などと思ったことはないですか?
私は、1週間、1か月経過すると「あの本すごくいい言葉が書かれていた気がするけど何て書いてかったっけ?」「もう一度読み返すのは時間がかかるし…。」ということがありました。
読書以外にも、学校の授業や自己成長のためのセミナー参加など新しく何かを吸収すること全般において、これから紹介する内容は含まれます。
- 学習したことを忘れないように脳に定着させる法則を知ることができる
- 具体例を通して実践方法がイメージできるようになる
「学習したことは忘れないようにする方法を自分なりに身につけています。」と言える方は、これ以上読み進めても得られることはないので、ここで読み終えてください。
これから読書を始めた方に特におすすめな本です。私は、読書に目覚めてすぐにこの本に巡り合えたのでラッキーでした!
この解説では、本書「アウトプット大全」の流れに沿って説明していきます。
本書は80以上のアウトプットに関する項目があります。その中で、ふじだい目線で大項目の中から1つずつ紹介したいと思います。アウトプットに関してここまで幅広く科学的根拠を用いてコンパクトに解説された本は他にないと思います。インプットばかりを優先していた「あなた」はぜひこの記事を最後まで読み進めてください。
新たな発見があるはずです!
アウトプットの基本法則
インプットとは
インプットとは、脳の中に情報を入れる、つまり、「入力」すること。具体的には「読む」「聞く」がインプットです。
引用元:アウトプット大全
アウトプットを理解する前に、まずはインプットをおさえる必要があります。
インプットとは「読む」「聞く」ことを言います。
より具体的に説明すると「本を読む」「授業を聞く」「セミナーを受ける」ことが当てはまります。一般的にみなさんが行っている学習がこれにあたると思います。
なるほど、これがインプットなんですね。
アウトプットとは
アウトプットとは、脳の中に入ってきた情報を脳の中で処理し、外界に「出力」することです。具体的に言うと、「話す」「書く」「行動する」がアウトプットです。
引用元:アウトプット大全P18
アウトプットとは「話す」「書く」「行動する」ことです。
より具体的に説明すると「本で読んだ内容を他人に話す」「本で読んだ内容をノートに書く」「本で学んだ内容を実際の行動に起こす」ことです。
アウトプットするには、意識を高くもたないと実施する一歩がでません。
私はインプットするだけで、できた気になってしまって、アウトプットすることはおっくうなってしまいます…
基本法則
インプットとアウトプットを何となく理解できたと思います。
それでは、これからどのようにして「忘れない脳」を作っていくのか基本的な法則を3つ紹介したいと思います。
- アウトプットの頻度は?
- インプットとアウトプットの比率は?
- インプットとアウトプットだけすればそれでOK?
1.アウトプットの頻度は?
だいたいの目安としては、情報の入力から2週間で3回以上アウトプットすると、長期記憶として残りやすくなるといいます。
引用元:アウトプット大全P25
人の脳は、必要な情報なのか必要ではないのか無意識のうちに判断しています。
アウトプットするということは、「この情報は重要だ。忘れてはいけないな。」と脳が判断することに繋がります。
アウトプットを複数回することで「やっぱりそうだ。必要であることに間違いない。」「この情報は、また使うことがあるだろうから引き出しにしまっておこう」と側頭葉という長期記憶される場所に移動されます。
一度ではなく、繰り返すことが重要なんですね!
2.インプットとアウトプットの比率は?
インプットとアウトプットの黄金比は、3対7。インプット時間の2倍近くをアウトプットに費やすように意識しましょう。
引用元:アウトプット大全P29
みなさんは、主にインプットに多くの時間を費やしているのではないでしょうか?にもかかわらず、アウトプットをまったく、もしくはほとんどしていない方は、多いのではないでしょうか?
それこそが「勉強しているのに成長していない」最大の原因ともいえます。
分かってらっしゃる、その通りです!
3.インプットとアウトプットだけすればいいの?
答えはもちろん「NO!」です。何故かというとフィードバックしていないからです。
では、フィードバックとは
アウトプットによって得られた結果を評価し、その結果を考慮して、次のインプットに修正を加えるという作業です。見直し、反省、改善、方向修正、微調整、原因究明。すべてフィードバックです。
引用元:アウトプット大全P30
参考書を読んで(インプット)、ただ問題を解いて(アウトプット)も身に付きません。
その答えが合っているのか、間違っているのかを確認します。合っている場合は、たまたまなのか、問題を解く過程も含めて合っているのか見直します。一方、間違っている場合は、その理由を考え問題の解き方を修正します。
読書の場合は、読んだ内容を理解(インプット)します。
そして、実際に「行動」します。
行動した結果が「良い結果」であった場合は「継続」して習慣化すれば良いです。
一方で「悪い結果」になった場合はその理由を見直し「やり方を微調整する」もしくは「違う方法を試してみる」を行えば良いのです。
アウトプットさえすれば良いわけではないんですね…
アウトプットの具体的方法
科学に裏付けられた、伝わる話し方
ノースカロライナ大学の研究では、職場で話される会話のポジティブな言葉とネガティブな会話の割合(ポジティビティ比)を調べたところ、その比率が3対1以上でポジティブな言葉が多いチームは、ビジネスでも極めて高い利益を挙げ、チームメンバーの評価も高いものでした。
引用元:アウトプット大全P42
職場の多くは、単独行動ではなく、チームとしてともに課題に向き合っていると思います。
それぞれの課題ができて当然と思っていると、できなかった部分に対して目がいきがちです。
私も当時は、部下の仕事のミスを指摘することが多く、「以前できなかったことができるようになったとしてもその変化に気付くことさえできていませんでした…。」
逆に言うと、部下に対してネガティブなフィードバックをする比率が多くなると、ビジネスにおいて利益は低下して成果を挙がりずらくなります。
現時点の部下の能力を正しく知ることで、良い変化がみられた場合にポジティブフィードバックすることでチームが活性化して自信を持って前向きに仕事を取り組んでくれるようになります。
意識して良い面を見つけるクセをつけると良いですね!
能力を最大限に引き出す書き方
プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同研究では、大学生を対象に、講義を「手書きでノートをとる学生」と「ノートパソコンでノートをとる学生」に分けて比較しました。結果は、手書きの学生のほうがよい成績を上げ、より長い時間にわたって記憶が定着し、新しいアイデアを思いつきやすい傾向にあることが明らかになりました。
引用元:アウトプット大全P116
一言で書くといっても、「ボールペンでノートに書く」、「スマートフォンのメモ機能アプリを使い、指で動かして入力する」、「パソコンでキーボードを打つ」とさまざまあります。
同じ指を使う作業ですが、「手書き」という作業が最も記憶に定着し、アイデアまで思いつきやすくなることが分かりました。
現在は、作業の効率化に伴い、ノートに書く機会が減少してきています。
すべての作業をパソコンで行うのではなく、覚えることが目的の場合は、あえてノートに書くという手段をとるように心がるべきです。
本書を読んでから、私はお気に入りのノートとボールペンを購入しました!
圧倒的に結果を出す人の行動力
最後のアウトプットは、行動力に関する内容です。
ここでは、最も効果があるとされている方法を紹介したいと思います。
みなさん、準備はいいですか?
アメリカ国立訓練研究所の研究によって導き出された、学習定着率をあらわす「ラーニング・ピラミッド(Learning Pyramid)」があります。
転記元:アウトプット大全P196
単に、「授業を聞いたり」、「本を読む」だけでは、10%以下の定着率になります。これが記憶に定着しない理由になります。研究結果の通りですね。
最近、学校の授業やセミナーにおいてもグループ分けをして、課題に取り組くみ、それぞれのグループごとに成果を発表する方法を取り入れているのを目にします。これは、ラーニング・ピラミッドのを元にした取り組みと言えそうですね。
では、最も脳の定着率が良くなる方法をみなさんは行いたいと思うはずですよね。
答えは、「他人に教えた経験」が何と90%の定着率になります。この方法を使う手はないですね!
しかし、自分のアウトプットなのに人の時間を奪ってしまうのは大変申し訳ないですね。同じ興味や趣味を持っている仲間であったり、家族など近しい存在ならまだしも、そんな都合の良い場面は少ないと思います。
今回、私が実際に行っている方法を教えたいと思います。
それは、
インプットした内容を「架空の人物を目の前に想定して、その人物に説明する」という方法です。
このメリットは
- いつでもできる
- どこでもできる
- 1人でできる
実際に私が現在、行っている方法を示したいと思います。
私は、朝のゴールデンタイム(最も脳が活性化されて吸収する準備ができている状態)に読書をしています。
読書後に本を閉じて、どんな内容であったか架空の人物に説明します(1回目のアウトプット)。
その後、通勤は車のため、運転中に再度、架空の人物に説明します(2回目のアウトプット)。
仕事終わりの運転でもう一度行います(疲れていなければ3回目のアウトプット)。この場合は、3回のアウトプットの時間があまりに短いので、おそらく記憶は定着しづらいとは思います。ただし、毎日の日課である運転という時間をアウトプットに活かせるということはとても効率的だと思います。
車でなくても徒歩や電車通勤でも、実際には口に出さなくても頭の中で話すことも可能です。
くれぐれも、運転の際は、話すことに夢中になりすぎて自己を起こさないようにしてください。
あくまで自己責任でお願いします。
次に私は、休みの日の朝に1時間以上ウォーキングをしてます。
この時間に以前読んだ本の内容をアウトプットをしております。
最後に、ブログの本の紹介で最後の「書く」というアウトプットになります。
ここまですれば、脳は「重要な情報だ、引き出しに入れておこう」と反応するはずです。
アウトプットはすればするほど脳が重要な情報だと判断するので定着率が向上しそうですね。
アウトプット力を高めるトレーニング法
本書では、7つのトレーニング法が紹介されています。
その中で、今回紹介するのは、「ブログを書く」ことです。
著者の樺沢先生も「インターネットで情報を発信したい!」という人に最もおすすめしているそうです。
実際に始めよう思った方に少しだけポイントを紹介したいと思います。
- ワードプレスを利用する
- 独自ドメインを取得する
- 毎日更新する
インターネット環境が整い、パソコンをお持ちの方は、安く済ませようと思えば、月々1000円程度からワードプレスを始めることができます。今は、情報過多の時代なので始める手順なども調べることでいくらでも出てきます。私も、1から独学で始めました。
ちなみに私は、毎日更新以外の2つを実行し始めました。この記事を書いているときは、まだ1か月目の初心者です。お手柔らかにお願いします。
樺沢先生が提示しているブログを始めるにあたっての内容は、私にとってはストイックでありました。そのため、私はゆる~くでないと発信できなため、1日1記事は書いてません…。
あなたのペースでできることから始めるのをお勧めします。大切なことは、スタートダッシュしてはりきることではなく、ゆっくりとマイペースに継続することです。慣れてくれば少しづつペースを上げていけばよいと思います。
ブログを始めるのはハードルが高いと思っている方は、「日記」を書くのもおすすめされていました。
書き方のポイントは本書を参考にしてください。
まとめ
あなたは何のために、誰のために、何が目的でインプットしていますか?
せっかく、時間をかけて行ったインプットがこれからのあなたの人生の選択において、大きく影響を与えていきます。「インプットとアウトプットの比率」「アウトプットの頻度」「フィードバックとは?」この3つの基本法則がパット答えることができますか?
もしできない場合は、アウトプットの基本法則だけでも見直しをおすすめします。
それが理解できればあなたの生活習慣の中で、アウトプットを取り入れる時間を作ってみてください。
私は、おどろくほど効果を実感することができました!
ここで紹介した内容は、本書の10分の1にも満たないです。
私は文書がヘタなので、最後に著者の樺沢先生が本書で書かれたまとめをそのまま引用させてもらいます。
『アウトプット大全』は次のような特徴のある本です。
引用元:アウトプット大全P103
#日本で初めてアウトプットに特化した、アウトプットの決定版
#アウトプットについて、異なる80の視点からアウトプットの実践法を開設したアウトプットの百科事典
#精神科医の、脳科学、心理学的根拠に基づいた、再現性のあるノウハウ
#図解入り。読者が苦手な人も直感的に理解できるわかりやすさ。
#基本2ページ完結でどこからでも読める。気軽にスキマ時間で読める。何度でも読めるから、効果抜群。
#読んだその日から実践できるハードルの低さ。読んだその日から効果を実感できる即効性。
#アウトプットによって、受け身型、消極的な人生が、能動型、積極的な人生に変わる!
あなたも、『アウトプット大全』を読み、アウトプットを実践して、自分の人生を変えてみませんか?
1つ1つの説明が短文で、イメージしやすく、興味を惹かれる文章で、つい手に取りたくなりますね!
本書は、一般的な自己成長を促すための考え方を学べる本に留まりません。
言い方を変えると、今後、本を読む上でまず基礎知識として持っておかなければならない、「本を読むための本」ではないかと思います。
本以外にもこれからの経験や体験を自分の頭に定着させることになるため、幅広く活かせるのではないかと思います。
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