『リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』は、2020年にダイヤモンド社から発行されています。著者の安藤広大(あんどう こうだい)さんは、株式会社識学の代表取締役社長をされております。これまで識学の導入実績が約2000社あるそうです。
書評です
「責任のある仕事を自信を持てるようになりたい」「マネジメントできるようになりたい」と悩んでいませんか?
ふじだいは「自信がありません」「マネジメントに必要な役割がわかりません」と、思っていました…
では、「どうすれば自信を持つことができるのでしょうか?」「マネジメントできるようになるのでしょうか?」
その答えは、「リーダーの仮面」をかぶることです。本記事では、リーダーの仮面をかぶるためのヒントを解説していきます。
プレーヤーとリーダーの役割が理解できる
プレーヤーからリーダーに切り替える質問を知ることができる
リーダーに求められるマネジメント能力の高め方のヒントを知ることができる
本書を読むことで、リーダーに求められる考え方を十分に知ることができます。「やるべきこと」と「やってはいけないこと」が書かれているため、内容がしっくりときた方は頭の中がスッキリするはずです!
ちなみにふじだいは、自分の性格上、完全に「リーダーの仮面」をかぶることは難しかったです。ただ、本質的な考え方はかなり、しっくりきました!新たな発見が多かったです!
本記事では、まず「プレーヤー」と「リーダー」に求められる能力から解説します。求められる能力が違うため、リーダーとしての思考の切り替え方を質問形式で提示します。最後に、リーダーに求められるマネジメント能力のポイントを説明します。
本記事を読むことで、本書に書かれている大まかな視点を知ることができると思います。
まずは、本の目次です。
本の目次
はじめに
序章 リーダーの仮面をかぶるための準備
第1章 安心して信号を渡らせよ「ルール」
第2章 部下とは迷わず距離をとれ「位置」
第3章 大きなマンモスを狩りに行かせる「利益」
第4章 褒められて伸びるタイプを生み出すな「結果」
第5章 先頭の鳥が群れを引っ張っていく「成長」
終章 リーダーの素顔
はじめに
誰しもリーダーの資質が必要とされる理由
「自分は一生プレーヤーとして生きていきます!」と考えていますか?
この記事を読んでいる人はいないと思いますが…
そう考えている人は、おそらく「楽に仕事がしたい」「楽しく仕事がしたい」「重荷を背負いたくない」といった理由が挙げられるのではないでしょうか?
わたしも以前はそう考えていました…
プレーヤーとは?
一見、「その考え方も一理あるな。」と感じてしまいます。しかし、プレーヤーとは、個人として会社のためにどれだけ利益を出す存在です。ということは、あなたが50代、60代…今後は、おそらく75歳くらいまで働くことが推奨されていく時代になっていくとふじだいは思います。20代や30代の現役世代同等もしくは勝つことができますか?
プレーヤーとしての能力は年を重ねるごとに落ちていきます。
申し訳ないですが、プレーヤーとは、「代替え可能」な存在ということです。
リーダーとは?
一方でリーダーとは、部下をまとめ上げ、責任を取る存在です。部下がミスをした場合もリーダーが責任をとらなければいけません。部下を管理することは、誰でもできる役割ではありません。ということは、「代替えが困難」と言い換えることができます。リーダーに求められる能力とは「マネジメント能力」です。
高め方に関して後ほど、ポイントを解説していきます。
リーダーの成功とは?
リーダーの成功とは何でしょうか?
それは、部下同士や上司と部下が仲良く、和気あいあいと働くことです(違います…)。
部下よりもリーダーが、個人の利益を多く出すことです(これも違います)。
正解は、一言でいうと部下を成長させることです。
分かりやすくいうと、部下が成長したことで得られたプラスアルファの利益の合計が、リーダー個人が出した利益よりも上回ることです。
部下が10人いました。部下1人の働きが8とします。マネジメントすることで8→10に増えました。マネジメントの結果で増えた部下の利益が20となります。一方で、リーダー1人の利益が12だったとします。リーダーの利益(12)よりも部下の利益(20)の方が高いと成功といえます。
プレーヤーからリーダーに切り替える5つの質問
1つ目の質問は、
「いい人」になろうとしていないか?
引用元:リーダーの仮面P51
「リーダーの成功とは?」で書いたように部下と仲良くすることが組織のためと勘違いしていませんか?
仲良くするということは、みんな平等に接することができません。必ず不公平感が生まれます。
さらに、緊張感がなくなるため、ダラダラとした雰囲気になってしまいます…
たとえ、仲良くなったとしても、必ず利益が上がるとは限りません。
むしろ、長い目で見た場合、横ばいか低下する可能性が高いと思います。「いい人」になりたい気持ちは分かりますが、会社の利益を優先しなければ悪循環となる可能性が高いです。
2つ目の質問は、
「待つ」ことを我慢できるか?
引用元:リーダーの仮面P53
目の前の成果ばかりに目がいってませんか?
長い目で見ることができますか?
部下が悩んでいるときに、「すぐに手を差し伸べる」 or 「答えを教える」。
目先の結果は、上司のアドバイスにより、問題を解決することができます。しかし、考える力がなくなり、アドバイスなしでは働くことができません。その結果、異なる問題が起こるたびに答えが必要になります。つまり、上記の対応が習慣化すると部下の思考は停止してしまいます。
3つ目の質問は、
部下と「競争」していないか?
引用元:リーダーの仮面P54
部下よりも成績が低いと、自信がなくなっちゃいますよね…
実は、長年このことで悩んでいました…
しかし、ふっきることができました!
その理由とは?
リーダーは、個人の利益を上げるスキルを磨く必要ありません。
リーダーに求められるのは「マネジメント能力」です。そもそも、リーダーはプレーヤーとして働く時間が少ないはずです。もしくは、まったくない人もいるのではないでしょうか。
プレイヤーとして1番、さらに、マネジメントとしても1番を目指し続けるのは困難です。
その他にも、ついやってしまいがちな指導として、「昔の考えを部下に押し付ける」のもNGです。
4つ目の質問は、
マネジメントを優先しているか?
引用元:リーダーの仮面P56
この質の解説は、しつこくなるので書きません。
5つ目の質問は、
「辞めないか」を気にしすぎていないか?
引用元:リーダーの仮面P57
部下の元気がないから「飲みに誘う。」「励ます。」「課題を極端に低く設定する。」
そもそも、部下が辞める、辞めないの意志を決定するのは個人の問題です。辞めさせないために部下に合わせる必要はありません。冷たく感じるかもしれませんが、見放しているわけではありません。
上記の悪い対応しても長期的にみて部下が成長する可能性は低いです。
リーダーとしての対応は、部下の成長を促す働きかけに専念することです。
会社が成長していて、部下自信が成長している実感があれば、基本的には辞めないはずです。
以上が、リーダーとしてぶれない「軸」になります。
「なるほど」と思ってくれる質問が1つであればうれしいです!
「軸」が理解できれば次は、マネジメント能力を高めるポイントに移りたいと思います。
マネジメント能力を高める5つのポイント
1つ目は「ルール」、2つ目は「位置」、3つ目は「利益」、4つ目は「結果」、5つ目は「成長」です。
ひとつずつ解説していきます。
1つ目は
ルールを決める
場の空気ではなく、言語化されたルールを作る
引用元:リーダーの仮面P46
条件は、以下のことが挙げられます。
- だれでも守れる内容
- みんな統一
- 主語をはっきりさせる
- いつまでにするか明確にする
メリットは
守らなくてもよいことも過剰に意識して守ろうとする人がいるはずです。一方で、自己中心的で他者への配慮がみられない人もでてくると思います。「ルール」が1つもないと個人間での意識がバラバラとなり不公平感がでてギスギスしてきます…
2つ目は
「位置」を意識する
対等ではなく、上下の立ち位置からコミュニケーションする
引用元:リーダーの仮面P46
リーダーと部下の上下関係がうやむやになると、リーダーの言うことを部下が聞かなくなります。その結果、部下が失敗した際の責任を誰がとるのかわからなくなります。
他には、リーダーが決断しなければならない課題を部下に判断させるケースも出てきます。
「位置」関係が崩れると責任の所在が分からなくなります。
リーダーが全責任を負うように、「位置」関係を明確にします。
3つ目は
「利益」を優先する
人間的な魅力ではなく、利益の有無で人を動かす
引用元:リーダーの仮面P46
冷たい言葉に聞こえるかもしれませんが、大切な視点です。
魅力=利益ではないということです。
組織のために働いたことが、個人の利益につながっていく
引用元:リーダーの仮面P164
部下を成長させた結果、利益が生み出されます。
成長させるためには、「いい緊張感」が重要です。そのためには、「言い訳しないコミュニケーション」をとることです。詳細は本書を参考にしてください。
4つ目は
「結果」を重視する
プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る
引用元:リーダーの仮面P46
プロセスを重視すると、結果に繋がらなかった場合も「良い評価」をしなければならなくなる。
例えば残業している部下を褒めると、残業をアピールするようになってしまう…
その他、プロセスに介入することで業務の工程数が増えてしまう。結果、労働時間が増えてしまう可能性がある。
5つ目は
「成長」を促す
目の前の成果ではなく、未来の成長を選ぶ
引用元:リーダーの仮面P46
「ルール」「位置」「利益」「結果」の4つを意識した結果、部下の成長につながっていきます。その結果、リーダーの成功に至ります。
まとめ
リーダーに求められる、おおまなか視点を理解していただけるとうれしいです。リーダーに必要なスキルとは、「マネジメント能力」を磨くことです。そのために必要な5つのポイントを解説しました。もっと掘り下げて理解したい方は、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか?
特に、部下が多く一人一人に話をする時間を設けることが難しい役職者の方は読む価値があると思います。
部下が少ない会社で働いている方も参考になると思いますが、違った視点として「コーチング」もあります。部下の成長を促す方法として、さまざまな視点を持つこともリーダーとしてのスキルが向上するはずです。
以下にリンクを貼っておきます。
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