「具体⇄抽象」トレーニング コミュニケーションギャップを解消する

『「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問』とは、2020年に株式会社PHP研究所から発行されました。著者の細谷功(ほそやいさお)さんは、ビジネスコンサルタント、著述家をされております。問題発見・解決や具体⇄抽象等の思考力に関する講演や研修を国内外の大学や企業などに対して実施されています。

「ふじだい」が、勝手きままに評価してますので、ご参考までにとどめてください。

読みやすさ
難しい
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楽に読める
思考力
高まらない
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高まる
発想力
高まらない
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3
5
高まる

あなたは、「みんなから必要とされている」と自信をもって言えますか?

「自分の伝えた言葉が相手が100%理解できている」と思いますか?要するにコミュニケーションギャップを感じたことはありませんか?

同じ言葉を使って話をしていても、自分と相手の言葉のイメージが違っていると受け取り方や解釈も変わってきますよね?単純な内容であれば特に問題ありませんが、複雑で、かつ重要な話となると「まっ、いいか。」と妥協することはできませんよね。

阿吽の呼吸で言葉にしなくても相手に伝わるほどの関係性であれば問題ないですが、学生や社会人として生活していると様々な人とコミュニケーションをとらなければなりません。

誤解のないようにコミュニケーションをとれるに越したことはないですよね?

この記事を読むことで以下のメリットがあります
  • なぜ具体化と抽象化が重要なのか分かる
  • コミュニケーションギャップの解消のヒントが分かる

この記事の解説では、上記のポイントを押さえることに重点をおいてますので本書の流れとは異なります。

あくまで、「ふじだい」目線での内容になりますのでご了承くださいませ(本当は本書の内容を要約して解説できるほどのライティング力と読解力を持ち合わせおりません…失礼しました。ですが、思いを込めてなるべく分かりやすくかみくだいて説明する努力はしております。)。

本の目次
はじめに
第1章 なぜ具体と抽象が重要なのか?
第2章 具体と抽象とは何か?
第3章 抽象化とは?
第4章 具体化とは?
第5章「具体⇄抽象ピラミッド」で世界を眺める
 問題解決は川の流れのように
 コミュニケーションギャップの解消
 「頼む」「頼まれる」のメカニズム
第6章 言葉とアナロジーへの応用
 言葉の定義と抽象化
 アナロジーへの応用
第7章 具体と抽象の使用上の注意
おわりに

目次

具体と抽象とは何か?

抽象化とは何か?

抽象化とは「自由度を上げる」こと

自由度が上がるということは、選択肢が増えるということ。つまり、「あれも」「これも」「それも」とより多くのことが、当てはまるということです。

具体化とは何か?

具体化とは「自由度を下げる」こと

自由度を下げるということは、選択肢がせまくなり、個別性が高くなるということ。要するに、固有名詞などイメージしやすくなるということです。

具体と抽象の例

よくある話を例にしてあげたいと思います。

休日に、家族でランチをすることになりました。
お父さん:「今日のお昼は何が食べたい?」

子ども:「中華料理が食べたい!」

上記の答えは、具体的でしょうか?それとも抽象的でしょうか?

答えは………



まだ、分かりません!


というのも、具体的なのか抽象的なのかは、相対的な概念となるため、「何と対比して」具体的なのか抽象的なのかが決まるのです。

先ほどの質問に対して、例えば子供が「ラーメンが食べたい」と答えたとします。その場合、「中華料理」に対して「ラーメン」は具体的ということになります。

反対に、「ラーメン」に対して「中華料理」は抽象的ということになります。

なぜ、具体と抽象が重要なのか?

先ほど、「具体」と「抽象」に関して簡単に説明しました。

これから、なぜ具体と抽象がなぜ重要なのかを解説していきます。

本書は、具体と抽象を往復すること、つまり抽象化と具体化によって発想を豊かにするとともに、日ごろ私たちの身の回りで起こっているコミュニケーションギャップを解消することを目的としています。

引用元:具体⇄抽象トレーニングP3

先ほどの質問をコミュニケーションギャップの視点で、もう一度行ってみます。

休日に、家族でランチをすることになりました。
お父さん:「今日のお昼は何が食べたい?」

子ども:「中華料理が食べたい!」
お母さん:「それじゃあ、ラーメン屋さんに行きましょう!」
子ども:「ラーメンはイヤだ!」「麻婆豆腐が食べたい!」

いかがですか?

お母さんは、子どもの「中華料理」という選択に対して、具体的なメニューとして「ラーメン屋」を提案しました。

にもかかわらず、子どもは「ラーメン」という選択を拒否して「麻婆豆腐」を希望しました。

このような場面は、みなさんも心当たりがあるのではないですか?

思わず、「いってることが違うじゃん!」とツッコみたくなりますよね。

子どもとのコミュニケーションギャップなら可愛いものですが……

「夫婦においては、子どもの教育方針、将来設計について」、「職場の後輩においては、任せた案件の進捗状況や出来栄えなどについて」など、重要度が高く譲れない内容になってくると話が変わってきますよね!

次は、具体的思考が強い人と抽象的思考が強い人で考えてみましょう。

例題1
小学校での体育の時間になりました。今日は、鉄棒の練習です。
あなたの子どもは鉄棒が苦手で逆上がりができませんでした。
そこで、先生があなたの子どもに対してアドバイスをします。なんとアドバイスをするか、具体と抽象の2通りで考えてみてください。

具体的思考が強い人の場合の例:
「先生はが小学生のときは、逆上がりができるようになるため、毎日30分練習すれば1週間でできるようになったよ。明日から、同じようになってみよう!」

先生が小学校の頃となると10年以上も昔の出来事となり、逆上がりができるようになるための科学的なコツが発見されている可能性がある。また、先生とあなたの子どもは、生まれ育った環境が違う、運動神経も違えば、性別も練習した年齢も違うかもしれない。



抽象的思考が強い人の場合の例:
「とぶぞーっという強い気持ちで勢いよく足でけり上げれば大丈夫!」「精一杯やれば必ずできるようになる!」

もう少し、相手に伝わるように分かりやすくイメージできるように説明する必要がある。なにをどうしたらよいか分かりづらい表現になっている。

結果は、どちらも相手に伝わりにくい表現になっており、どちらが正解というわけではない。

ということになります。

ちなみに小さい頃の私は鉄棒や走ることが得意でした!

ふじこ

ふじだいさん。聞いてないです!

具体化と抽象化でコミュニケーションギャップを解消する

では、本書の解説でメインとなる、コミュニケーションギャップを解消するための具体例を学んでいきましょう。

コミュニケーションギャップの根本的原因は、「私たち一人ひとりの経験や知識、あるいは思考回路が異なることによって、『違うものを見ていることに気づいていない』ことである」ともいえます。

具体⇄抽象トレーニングP152.153
  1. 知識や経験による違いによる認識の違い
  2. 具体と抽象の違い

1.は比較的分かりやすいため、簡単に説明します。

分かりやすい例えでいうと文化の違いが挙げられるのではないでしょうか?日本では玄関で靴を脱いで室内に入ります。一方で、アメリカでは靴を履いたまま室内に入ります。

なぜこのような違いを生じるかというと、日本では昔、で寝るのが一般的でした。要するに、に布団を敷くということです。アメリカでは、ベッドを使用することで床に直接寝ることがないため、靴をはいたままになるそうです。

その他、性別の違いでいうと一概には言えないですが、男性は理論的な思考が強く、ルールを大事にする傾向があります。一方で、女性は直感的な思考が強く、感覚的な判断を大事にする傾向があると思います。

夫婦の大事な会話をする際に、「目的や目標は同じなのに」基本的な考え方の違いが思わぬ意見の食い違いからぶつかり合いになってしまわないように慎重に会話を進める必要がありますね。

人は、同じ言葉でも違った意味でとらえている可能性もあるし、考え方も違ってくるかもしれないですね。

ふじこ

そのことを理解した上で、確認しながら話を進めていくといいですね。

2.が本題になります。具体と抽象の違いにより、コミュニケーションギャップが生じてしまいます。要するに、具体的な思考で生きている人は具体で物事を考えてしまいます。一方で、抽象的な思考で考えている人は抽象的に物事を考えてしまいます。そのため、具体と抽象の両方の視点を理解できているのかが重要と私は解釈しました!

本書でも書かれていた掃除を例にして私の家庭で実際にあった場面で考えてみましょう。

子どもの部屋が散らかってます。
お父さん:「今日は休みだから、パパはみんなの寝室の掃除するから、自分の部屋を片付けてくれる?」
子ども:しぶしぶ「分かった。」
その後
子ども:得意げに「パパ終わったよ!」

実際は、床に散らばっていたおもちゃや荷物が机の上にぎっちりと乗っかていてお世辞にもきれいとは言えませんでした。

上記のやりとりを具体と抽象を用いて考えてみてください。



抽象的な表現として「片付け」という言葉が用いられてます。

今回の例題では、子どもにとっての片づけとは、床に散らばった物をキレイにすることが片付けと認識していることになります。そのため、キレイにするという意味では共通認識なのですが、机の上の物も直すべきところに直すという認識が子どもになかったことになります。

この場合は、何といえば良かったのでしょうか?

もう少し、分かりやすく、具体的に説明する必要がありました。

例えば、学校に必要な教科書やノートは本棚に直そうね。おもちゃはおもちゃ箱に直そうね。もう使わないものは、ごみ箱に捨てようね。と、細かく説明していけば、ギャップを生じることなく相手に伝わります。

どこまで、具体的に説明するのかがポイントになりますね。



もう少し、複雑な話題を1つ説明したいと思います。

親が来年、定年退職することになりました。日頃の感謝を込めて、お父さんは来年ハワイ旅行に家族みんなと親を連れていく計画を立てました。家族はみんな大賛成しました。しかし、この後の会話で子どもは反対し始めました。何故でしょう?

親と家族全員分の旅行費となるとお金持ちの家庭であればそうでもないですが、私のような家庭では正直とても無理です。ということは、お金が降って湧いてくるはずはないので、節約して旅費を貯めていかなければなりません。

お父さん:「来年、旅行に行くためにお金を貯めないといけないから、今年は、1年間おもちゃを買うのはガマンしようね。」
子ども:「いやだ!」「おもちゃも買うし、旅行も行く!」

これは、我が家で実際にあった話ではないですが、具体と抽象に関するコミュニケーションギャップといえます。

具体的に、子どもに説明しても理解は難しいと思いますが、ハワイ旅行に行くためには……。

と親の給料、日用生活品にかかる費用などの生活にかかる費用の説明が必要になります。

本書では、国が国民から聴取した税金の使い道を例に出して説明されていましたが、私はすごく納得してしまいました!

一見、良い考えだと思うと反対しませんよね。ただし、その考えを実行しようとしてときに自分にとって不利益な状況になると「話が違うぞ!」といいたくなりますね。」これは、抽象的に考えることができていないということですね!

まとめ

今回は、コミュニケーションギャップというテーマを中心に解説しました。

本書では、コミュニケーションの以外にも

①「AIに使われる人」になるのか「AIを活用していく人」になるのか
②具体化とは、抽象とはを違った角度から様々な例えを用いて説明されています。
③仕事への応用
④アナロジーへの応用
⑤使用上の注意点など

今回の記事では、5%も説明できていないと思います。

説明しようと思ってもかえって混乱を招いてしまうと思いますので……

本書は、もっと深く掘り下げて、家庭や友人との会話、仕事で部下や上司とのやり取りに活かすことができる内容となっております。さらに、本書では、29問も質問を投げかけられるため、読みながら思考のトレーニングが図れます。

難易度は少し高めの印象ですが、ぜひ次なる成長の一歩としてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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