新コーチングが人を活かす 成長を促すコミュニケーション技術

『新コーチングが人を活かす』は2020年に株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンから発行されました。著者の鈴木義幸(すずきよしゆき)さんは、株式会社コーチ・エィの代表取締役社長をされております。200名を超える経営者のエグゼクティブ・コーチングを実施されており、コーチングやリーダーに関する書籍を多数書かれております。

書評です

読みやすさ
難しい
楽に読める
教育スキル
学べない
学べる

「今まで指導した経験がないのに部下の指導を頼まれた」「自分のことで精いっぱいなのに人の指導は無理」と感じたことはないですか?または、実際に「本やセミナーを受けて試したが効果がなかった」「どんな人にも使える効果的な指導方法を手に入れたい」と解決に悩んではいないですか?

様々な教育や指導方法がある中で、ふじだいはコーチングをお勧めします。実際に試してみた結果も解説しています。少しでも興味を持たれた方は以下のメリットから読み進めてください。

この記事を読むことで以下のメリットがあります
  • コーチングが求められている理由を知ることができる
  • コーチングスキルの高め方を知ることができる
  • チームでコーチングの活かし方が分かる
  • 具体例をみることでイメージしやすい

「コーチングに頼らずとも他の指導技術を持っています」、「自己流の方法で効果がみられている」といった指導技術に絶対的な自信がある方はここで読み終えてくださいね。

日々の仕事において教育・指導とは重要度の高いテーマですよね。部下の教育や指導を求められている立場の方がおそらく本ブログの読者層だと思います。昔はプレイヤーとして与えられた自分の仕事を行い、成果を挙げることが求められていたと思います。しかし、経験とともにプレイヤーで活躍するのは限界があります。若い人の方が体力もあり、安い給料で働いてくれます。
ということは、年を重ねていくとプレイヤーから部下の教育へと役割が変わってきているといえるのではないでしょうか?

そこで、教育・指導という視点で本書から得られる知識がたくさんあったので紹介していきます。

まずは、教育・指導方法としてなぜコーチングがよいのかを説明し、スキルの高め方、具体例について解説していきます。

まずは、本書の目次です。

 本の目次
はじめに
Lesson1.相手と自分の発見をうながす
Lesson2.相手と信頼関係を築く
Lesson3.目標達成に目を向ける
Lesson4.視点・切り口を変える
Lesson5.主体的な行動をうながす
Lesson6.コーチングの達人に向けて
Lesson7.チーム・組織に対話を引き起こす
本書活用のガイド

目次

はじめに

コーチングを知る前に、まず「コーチングが求められている理由」を知る必要があります。そして、本書は改訂版であり、初版が発行されてから20年経過しております。次に「改訂版を発行した理由」とは、20年前以上に現在はコーチングの必要性が高まっており、その間にスキルや知識が蓄積しているため、まずはこの2点を押さえてください。

コーチングが求められている理由

・簡単に正解をみつけることのできない課題の増加
・多様性の拡大
・イノベーションの必要性

引用元:新コーチングが人を活かすP7.8

「簡単に正解をみつけることのできない課題の増加」に関しては、そもそも対象が人なので、どこでつまづいているのか、なぜつまづいているのか、考え方や受け止め方が違ってくると思います。そもそも、なにが自分の課題なのか理解できていないケースも多いはずです。また、「これが答えです」といえるものはほとんどないため、探し続けていくアプローチになると思います。

「多様性の拡大」は、こちらも価値観とは人によって違います。最近は外国人も増えてきています。職場からその人は何を求められているのか、その人が仕事において大切にしている考えは何なのかを知る必要があります。「職場」と「あなた」の方向性が離れていかないようにしていく必要があります。

「イノベーションの必要性」に関しては、高度経済成長期は上司のいう通りにすればよかったと思います。しかし、今後は同じことをただこなしていのであれば衰退していきます。生き残るためには、職場が求められているものは何かはっきりしていること、そのために、あなたができることは何かを見つけていくことです。自分を変えて成長していかなければなりません。

改訂版を発行した理由

一部でコーチングが誤解して使われていることに対する懸念

引用元:新コーチングが人を活かすP11

「引き出す」→「相手の発見を促す」に言葉を変更されています。「引き出す」という表現を用いたことで、一定数の読者が間違った方法でコーチングを実施していることが分かりました。「引き出す」と聞いてどのようなイメージを持ちますか?コーチが答えを持っていて直接答えは教えていないにしても、以下に誘導質問して相手に答えを導こうかと考えた人はいないですか?

そう考えた人はこの本を読むべきだと思います。後でその答えを解説します。
その他の理由として、以下の思いがあったそうです。

コーチングというスキルをベースに、いかにチームや組織の中で対話を引き起こすのかを書きたかった

引用元:新コーチングが人を活かすP13

この20年間で、弊社コーチ・エィの仲間と共に、お客様との体験を通して培った、新たなコーチングのスキルや知識をお伝えしたい

引用元:新コーチングが人を活かすP13.14

著者の強い思いが伝わりますね。

コーチングを理解する

まずは、「コーチングとは?」を知るためにコーチングの哲学および本質を知ることが第一歩です。その上で「コーチングスキルを高めるために」必要なスキルを押さえていくことで頭の中に入りやすくなります。その後、ふじだいが実際に試してみた「具体例」を解説します。そして、著者が書きたかった「チームでコーチングを利用する」方法を解説します。

コーチングとは?

コーチングとは、問を2人の間に置き、一緒に探索し、その中で相手の発見をうながすもの

引用元:新コーチングが人を活かすP13

これがコーチングの哲学です。
「コーチが答えを持っていない」ということです。もしくは「答えが見つかった」としても導かずに一緒に探索することです。結果、コーチの答えではなく、相手が別の答えを発見した場合は、そちらの方法を促していきます。自分が考えて答えを発見することに最も重きを置いています。「引き出す」→「相手の発見を促す」に変更した理由がここにあります。

未来を創り出す主体的な人材を創る

引用元:新コーチングが人を活かすP14

これがコーチングの本質です。
若い人に自ら考えて答えを発見してもらう。要するに受け身的ではなく主体的に行動できるように促してく指導方法がコーチングになります。

若い人が知識や経験を積み重ねて中堅になった頃、今度は新人に向けてコーチングをしていく。そうすることで、「未来を創り出す人材」が受け継がれていくのではないでしょうか?

コーチングの基本

望んでいる状態(目標)=現在の状態+行動
まずは、目標設定を行います。その後、現在の状態が目標に対してどのあたりにいるのかを意識してもらいます。現在の状態と目標とのギャップが課題となります。その課題に対して主体的な行動を促していきます。

本書の特徴は、目次に対して様々なスキルを分かりやすく、短くまとめられています。そのため、自分が知りたいポイントを知識として得るには最適だと思います。また、基本コーチングとは1対1で行うものですが本書は、集団場面での活かし方が盛り込まれている点が魅力的です。

本ブログでは具体的なコーチングの流れや方法は解説しておりません。流れや方法が知りたい方は「目からウロコのコーチング」を参照してください。以下に、リンクを貼りつけておきます。どちらの本も本質的な部分は大きく変わりません。切り口やポイントが異なります。

コーチングスキルを高めるために

自分自身が日々小さな目標を達成する

引用元:新コーチングが人を活かすP220

逆の立場になって考えてみましょう。あなたは、どんな人にコーチングをお願いしたいですか?「口だけで行動に移さない人」「失敗から得ることをせずに同じ失敗を繰り返す人」。

そんな人には頼みたくないですよね?目標をかかげ、そのために日々努力して成長している人や大きな成功を手にした人にコーチングをお願いしたいと思いませんか?

“落としどころ”を用意しない

引用元:新コーチングが人を活かすP236

コーチングの最大の特徴です。コーチは答えを言いません。誘導しないということは、相手が答えを発見できない場合があります。「分かりません。」と言われたら何と質問しますか?答えは「もし分かったとしたらどうしたいですか?」と質問します。

チームでコーチングを利用する

異論反論を大切にあつかう

引用元:新コーチングが人を活かすP258

チームで話し合いをしている場面をイメージしてください。「話す人っていつも同じ人でないですか?」「だまっている人多くないですか?」おそらく、自分の意見に「反対されたらどうしよう?」「頭が悪いと思われたくない。」等と発言しずらい緊張した環境にある可能性があります。

大切なのは、チームに安心感を与えることです。安心感を与えるためには、1人1人と信頼関係を築くことではないでしょうか?

キーパーソンと徹底的に対話する

引用元:新コーチングが人を活かすP270

チームの中で仕事ができる、できないに関わらず影響力のある人はいませんか?その人がキーパーソンです!

キーパーソンとあなたの思いを徹底的に話し合ってみてください。キーパーソンにあなたの思いが伝われば他の人にも思いを広げてくれるはずです。結果、キーパーソンが次のキーパーソンへと繋がれば1人しか話していないにもかかわらず数人~数十人へとチームに伝わっていきます。

具体例

最近、ふじだいの娘との会話で思い出したことがあります。意識していなかったですが、振り返るとコーチングではないかと感じました。

学校で自慢話をしてくる友達がいます。その友達とどう付き合っていくか悩んでいました。あなたならどう解決に向けて話していきますか?

STEP
子:「〇〇ちゃんが自慢話をしてきてイヤな気持ちになる。」
STEP
ふじだい:「なぜ自慢話すると思う?」
STEP
子:「いいなぁ、すごい(うらやましい)と思ってほしいから。」
STEP
ふじだい:「〇〇(娘の名前)は友達に自慢話したいと思う?」
STEP
子:「しないよ。」
STEP
ふじだい:「どうしてそう思うの?」
STEP
子:「友達がイヤな思いするから。」
STEP
ふじだい:「どうしてイヤな思いするのに〇〇ちゃんは自慢話するんだろう?」
STEP
子:「分からない。」

これから先は、ふじだいは答えを導くことができませんでした…結局、「自慢話する人は、相手がイヤな思いをすることが分からないんじゃない?」と誘導しちゃいました。最後は、相手がイヤな気持ちになることは言わないという気持ちを共有することで話を終えました。

まとめ

コーチングは、20年以上前から教育現場で使用されている実績があり、昔以上に求められています。今後も求められ続けるはずです。答えがない難しい課題に対して、自分なりの答えを出して自発的に行動を促す。そのためには、信頼関係を築くこと、目標に目を向けること、視点・切り口を変えること等さまざまなスキルが必要です。本書は、分かりやすくまとめられています。少しでも興味を持たれた方はぜひ手に取ってみてください。

本を読むだけでは、自分の知識にとどまるだけになります。ぜひ、仕事で活かしてください。仕事が難しければ家族や友達との会話、相談されたときに試してみてください。予想以上に効果があるはずです!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次